成年後見制度は、生きづらさを抱える人びとの高齢期を支えることができるか
と き:2014年3月2日 午後5~7時
ところ:コミュニティセンターakta
話す人:永易至文(行政書士、特活パープル・ハンズ事務局長)
おかね:無料
超高齢社会のもと、認知症高齢者462万人(厚労省研究班推計)とも言われる今日、判断能力の低下した高齢者の権利と尊厳をいかに守るかが、大きな社会的課題となっています。
身体能力の低下は介護保険制度によって補うことができますが、低下した判断能力を、第三者がご本人の意思を尊重しながら補う仕組みが、「成年後見制度」です。
成年後見制度は2000年に、介護保険制度と同時にスタート。高齢者を支える車の両輪と言われています。
しかし、介護保険制度がある程度の定着を見た一方で、成年後見制度の利用は、制度の広報不足や後見人の絶対的不足から、かならずしも進んでいるとはいえません。
親族後見人は、家族であるがゆえの本人財産使い込みなどの難があり(多くは制度への無理解によるものですが)、弁護士などが任にあたる専門職後見人も、引き受け手の不足や報酬面から困難が伴うーー。
そうしたなか、ご本人の資産がそれほど多額でなく、専門職による高度な管理が必要ではない人を対象に、養成を受けた一般の市民が、市民の助け合いの精神にもとづき後見を引き受ける「市民後見人」が注目されています。2011年以来、厚労省も市民後見人の活用を掲げ、各地で養成講座や、社会福祉協議会などを母体に成年後見センターの設立が進んできています。
たとえ身寄りのない単身・独居の高齢者にも、成年後見制度を活用して、後見センターやNPOなどが法人として後見人を引き受け、ご本人の財産管理等の見守りや、介護をはじめとする契約などのサポートを行ない、ご本人の希望があれば遺言の執行や死後事務まで受任する動きも出てきました。
さて、性的マイノリティやHIV陽性者にかかわる現場でも、ご本人の単身・独居・高齢化、さらには貧困や地域社会からの孤立の問題が取りざたされるようになってきました。HIV陽性者の長期療養にともなうHAND(HIV関連認知症)の問題も、報告が増えています。
私(永易)は、こうした問題の解決策として成年後見制度に注目し、昨年に行政書士登録を行ない、将来の後見法人ともなりうるNPO(特定非営利活動法人パープル・ハンズ)を友人たちと立ち上げ、近時は市民後見人養成講座の受講も進めてきました。
今回の学習会では、性的マイノリティやHIV陽性者のおもに支援にかかわる人びとに、成年後見制度への基礎的理解を提供するとともに、支援の現場でいかにこの制度を活用できるか、私見の一端を提起し、みなさまからのご指正をいただければと願っています。
年度末のご多忙とは拝しますが、ぜひご参加いただけますよう、お願い申し上げます。
* 本学習会はパープル・ハンズの直接の活動ではありませんが、今後の活動に資する意味もあり、ここに掲載します。
* この講座は、永易が受講中の「東京大学政策ビジョン研究センター 市民後見人養成講座」の実習課題として実施されます。学習会でのアンケート等にぜひご協力くださいませ。
* 資料の用意のために、お申し込み制をとらせていただきます。永易まで、お名前とご参加人数をお知らせください(可能なら、ご所属やご参加の動機等をお書き添えいただければ大変ありがたく存じます)。締切は2月28日まで
【お問合せ・申込み】永易至文 yz235887@za3.so-net.ne.jp
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