介護はまず親を世帯分離する、でいいのか……?

【朝日新聞 2013.10.19(土)土曜版】

 同居のお母さんを介護することになり、介護保険を申請するさいに、まず最初にやったのが、住民票を分けて世帯を分離することーーそう話してくれたゲイがいます。
 介護保険料は、介護サービス代の1割負担が原則ですが、世帯収入によって上限が設けられており、低所得世帯は上限が引き下げられているからです。息子に収入があり、親を扶養しているこのゲイの場合、世帯に収入があるので介護保険の自己負担は原則の1割負担。しかし、親と息子で世帯を分けて(住民票を別々にする)、親は年金しか収入がないとなれば立派な「低所得者」。個人負担の上限額もそれだけ引き下がるわけですが、介護保険もパンク寸前と言われる現在、これは「オススメの裏技」なのでしょうか……。


 この問題に、土曜版で早川幸子さんのコラム「お金のミカタ」が触れています。
 介護保険の自己負担額は、所得におうじてつぎの4段階に分かれています。

 1)生活保護受給者など 15,000円
 2)住民税非課税、年金とその他の所得で年80万円以下 15,000円
 3)住民税非課税で2)に該当しない人 24,600円
 4)それ以外の人 37,200円

 もし要介護5(いちばん重い)で限度いっぱいの約35万円分の介護サービスを利用した場合、通常なら1割の35,000円が自己負担ですが、世帯を分けて年金しか収入がないとなれば、2)の15,000円となり、また特別養護老人ホーム(特養)に入っている場合、部屋代や食費もそれに応じて軽減されます。記事での試算では、世帯を分けない場合より7万円も安くなる、と。
 個人負担が減る分にはありがたいですが、その分は結局、介護保険が穴埋めしているわけです。

 介護保険が存続できなければ、私たちが介護サービスを受けることもできなくなる。すでに高所得者の場合は、自己負担を1割ではなく2割にしようという案も出ています。やむをえないかもしれません。
 福祉の持続可能性のために、私たちも「抜け穴」を探すばかりでなく、ちょっと考えておかなくてはならないのでは、と思います。応分負担も必要なこと。いずれ自分たちが安心して介護サービスを受ける日がくるために。

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