親の介護で田舎に帰った人のその後……

【朝日新聞 2013.10.2(水)】

 親の介護のために、都会での仕事を辞めて田舎に帰った------聞く話ではあります。帰った田舎で、再就職したのでしょうか? それとも……。
 「高齢者虐待 ひそむ生活苦」という興味深い記事がありました。朝日新聞と日本高齢者虐待防止学会は、家庭内で起きる高齢者虐待の実態を共同調査したところ、虐待をした人の6割が無職だったということです。
 記事は、虐待をした人の経済的苦境が特徴的だ、と書いています。


 これは同学会の第10回大会(9/21)で報告されました。記事から、報告の内容の一部をメモしてみます。

 虐待をしていた人の就労状況では、無職(就労なし)が最多。30代まででは59.4%、40~50代では57.6%。
 男性でも「就労あり」は3割で、これは女性より低かった。
 虐待した息子や娘らが、虐待相手(親)の年金に依存して生活するケースが4割近く。年金以外の収入や資産に依存も1割超。
 虐待息子でこうした親のカネに依存していたのは、6割にのぼる。
 高齢者虐待の7割は介護中のケースで、虐待した人(子)は実際、「主な介護者」だった。
 その介護者の状況は、「介護の協力者がいない」が6割強、「介護疲れを訴える」が7割以上。
 虐待の通報は、介護認定を受けている高齢者の場合は、7割がヘルパーやケアマネから。自立高齢者では、本人からが4割、警察からが2割。民生委員からの通報も目立つ。
 虐待や孤立死を防ぐ見守り活動を組織している自治体は9割弱に上るものの、介護関係の専門職以外の、市民団体や水光熱事業者・宅配業者などの参加は少ない(もっと幅広い見守りシステムを作ろう、の趣旨)。

 いかがでしょうか。
 冒頭に書いたように、親が要介護状態になったとき、仕事を辞めて田舎に帰る決断をする話は、ままあります。私たち性的マイノリティは、育ちのなかで親へのアンビバレントな感情を抱えている人もいて、こうした決断をする人も多い印象があります。見かけ上、単身であり、配偶者・子を抱えた他のきょうだいからも、介護役割を期待されるのかもしれません。
 しかし、田舎の(再)就職状況がいいわけではない。いきおい「無職」となり、親のカネに依存しながら暮らし、かつ「周囲に介護の協力者もいない」。閉塞した環境のなかで、その鬱屈した感情の向かう先は……。そしてとりわけ「息子」が危ない!
 これは介護帰省したゲイの、明日の姿なのでしょうか。

 今回の調査を分析した津村智恵子・甲南女子大教授のコメント
「経済面で親に依存する息子らの孤立化を防ぐ必要がある。介護の悩みに応じる相談や、介護によって職を失うことがないような就労支援などの取り組みが欠かせない」
 ま、そのとおりではあるのですが……。
 以前に紹介した遠距離介護をサポートするNPO法人「パオッコ」の理事長、太田さんは、「介護で仕事は辞めてはいけない。一度辞めると復帰は困難」とも指摘しています。

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