これまた私たち性的マイノリティの身の上を連想させるニュースがありました。
相続人がいない人の財産は、最終的に国庫に入ることをご存知でしょうか? 昨年度はそうした財産が375億円もあり、記録の残る1992年以後、最多になったそうです。
なーんにも遺産なんかないわ~、と言いつつも、人が死ねば、預貯金や家財、人によっては不動産が残るもの。私たちセクマイで配偶者や子がいない場合、法律上の相続人は、まず親。すでに親がいない場合は兄弟姉妹です。兄弟姉妹が死去している場合はその子、つまり甥姪。セクマイの場合、遺産は甥姪に渡ると考えておけばいい。
しかし、親も死に、一人っ子できょうだいもおらず、当然、甥姪もいないとなれば、法定相続人がいないことになります。また、甥姪がいても、その人たちが相続を放棄すれば(「会ったこともない伯父さんの財産なんか、もらいたくないわ……」とか)、おなじことです。
そういうときは裁判所が「相続財産管理人」を選任し、不動産や株などは換金し、未払いの税金や債務を清算して、亡くなった人の財産を整理します。ホントに相続人がいないか、この人にカネを貸している債権者はいないか、公告もします。
その過程で、「特別縁故者」といって、本人と長年一緒に暮らしたり世話をした人から申立てがあれば、その人にいくらか(全部とはいかないようです)の財産を分け与えることもあります。
そのうえで、残った財産があれば、それは国に収納されるのです。
記事では、相続財産管理人を務めたことのある弁護士が「家族がいなくても、縁がある人に財産を分け与えたいと考える人は少なくないはず」と語り、生前に遺言書を作っておくことを勧めていました。
さて、この記事からなにを学ぶべきでしょう。
同性カップルの一方は、配偶者でも、まして法定相続人でもありません。法律上は「赤の他人」(←って、色まで赤くしなくても。笑)。一方が亡くなったとき、遺言がなければ、たとえ向こうに相続人がおらず、関係者はあなただけだとしても、財産は国に収納され、いいところ「特別縁故者」として、いくらかの分与が認められるにすぎない、ということです。
だから、同性カップルの相続には遺言が大切、ということにほかなりません。
遺言の作成はどうすればいいのか? パープル・ハンズの電話相談や対面相談(無料・匿名・秘密厳守)を、どうぞご利用ください。笑
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