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保険ニュース2題 「ネット生保」と「持病があっても入れる保険」

【朝日新聞 2013.9.21(土)】

 本紙面と土曜別刷り版で、保険にかんする話題が2つ掲載されていました。
 安さと手続きの手軽さを売りのネット専業生保が「脱ネット」に動きはじめたという話題。もう一つは、「持病があっても入れる」をうたい文句にした医療保険への問題提起です。


 日本人はとかく保険へ入れば安心、と無条件に保険を信頼するようですが、保険も企業が売り出す商品の一つです。店舗を構え、多数の販売員を使って売れば、それだけ原価がかさみ、おなじ保険金を得るためなら買う側(加入者)からすれば割高です。
 そうした「ムダ」な経費を削って保険料(掛金)を下げたのが、ネット生保の強み。アクサダイレクト、そしてライフネットが知られます。
 しかし、ここに来て新規契約が頭打ちになり、この2社とも、銀行や保険代理店と提携し、窓口に来た人に直接売り込み、顧客層を広げる戦略に転じるとか。ここ3年、新規契約高は前年割れがつづき、「ネットだけで商品を説明するのは限界がある」(アクサ社長)、「ネットだけでは契約まで進まず、契約までの「伴走者」が必要だ」(ライフ社長)。
 生保全体でもネット商品は1%に満たないと言われ、保険は顔の見える関係(またはコネ、紹介)で入るのが強い様子が見えます。ああ、日本人、という気もします……。
 もっとも自動車保険などは、安価なネット商品のシェアが増え、1割程度を占めているとのこと。

 一方、土曜版ではフリーライター早川幸子さんが、「持病があっても入れる」保険に注意を促していました。
 これらは「引受け基準緩和型」「限定告知型」と呼ばれるもので、病歴や現在の健康状態を伝える告知数が少なく、入りやすい。高血圧や糖尿病で通院中でも入れたり、持病で入院しても給付金が受け取れるなど、病気の多いシニア層には魅力的に映ります。
 だが、保険料は通常の医療保険の2倍程度と、当然、割高なのです。(某社は入院1日1万円保障だが、70~80歳の10年加入で保険料総額は220万円。)
 ところで、厚労省の資料によると、健康保険を使った場合、70~74歳の窓口負担が2割に引上げられた場合(注。2割への引き上げは2006年に決まっているが、直後の参院選で大敗した自公政権が高齢者の反発を恐れて実施を見送り、民主政権もそれを引き継いだ。その分は私たち現役世代の負担になっている。今後、政府は法通り2割に引上げる予定)、それでも年間負担額は7万6千円と試算しています。
 本コラムでもたびたび述べていますが、医療費は国民みんなが入る公的な健康保険が最強の医療保険。そのために保険ではなく貯金で備えるほうがベターです。
 早川さんも、「給付金は、払った割高な保険料に見合わないことも多い。安心を買うために虎の子の蓄えを減らしては、本末転倒」と述べています。

 おなじことは、現役世代でも、あるいは「HIVに感染していても入れる保険」などにも、言えることでしょう。

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