昨日はホスピスにおける食事の話題をご紹介しましたが、きょうは「終活」です。
自分が死んだあとにどんな葬儀をしたいのか、生前から準備する終活が話題です。24日、港区の産業貿易センターで開かれた「終活フェスタ2013 in 東京」(←マジのようです)、2千人が訪れたそうです。
フェスタ(←だから、本気のようです)では、海洋散骨やエンバーミング(遺体の防腐処理)、相続相談、遺影の撮影会など40のブースが出展。とりわけ盛況だったのが、入棺体験とのことです。
「死んだ後じゃ、入り心地もなにも自分じゃ分からないんだから、今、経験しておくかって」と、主婦(71)のコメント。
記者(38歳、女性)も入棺してみました。靴を脱ぎ、風呂に入るような格好で棺おけに入り、足を伸ばして横たわる。思ったより狭く、身動きはできない。両腕は自然に胸の前で組むことに。「閉めますよ」のかけ声で蓋が閉まった瞬間は、動悸がしてひどく不安な気持ちに。暗い箱の中で「死ぬ時は、ひとりなんだな」という実感がこみ上げたそう。内側に貼られた布の肌触りを感じながら、全方向から包まれているような居心地は、でも意外によかった。
顔の部分の小窓があいてスタッフが見えると、ホッ。お別れのあいさつをする感じです。夫や2歳の息子の顔が思い浮かんだ……。
いろいろな参加者のコメントがありましたが、みんな「家族に迷惑をかけたくない」と口をそろえます。だから今からできることはしておこうと、イベントにも来たようですが、「葬式代は誰に預ける」「嫁とは何年も話していない」……現代の家族が透けて見えます。主催者も「ひとりで背負わず、家族や周りと相談できる社会になれば」とコメントしていました(終活カウンセラー協会代表理事、武藤さん(42))。
肉親や家族がいることは、安心した旅立ちを保証するものなのか、逆に死を前に、その希薄な関係性の内実に思い至って人を焦りへと駆り立ててしまうのか。
そして、もちろん通常の意味での家族をもたない私たち性的マイノリティは、どんな死や葬儀を経験するのか。
もの思わされる「フェスタ2013」(←くどい)の探訪記事でした。
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