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面識ない27人と、知らぬ間に養子縁組繰り返す

【朝日新聞 2013.7.27(土)】

 社会面に、また気になる事件ニュースが載っていました。
 窃盗などで服役を繰り返してきた知的障害者の男性(60歳)が、2002年以後、養子17人、養親10人と養子縁組を繰り返していたというのです。本人も知らない間に、養子縁組の届出がされていました。なにやら怪談めいた話です。
 

 この男性の養子になることで、養子は苗字を変えることができ、いわば別人として新たに預金口座を開いたり携帯電話を契約することができます。また、本人が誰かの養子になることで、第三者が、このニセの親子を振り込め詐欺などの犯罪に悪用していた可能性がある、と記事は書いています。離縁して姓が戻ったときも含めると、これまで12回も改姓していたそうです。
 こうした不自然な縁組みは、今年、男性が刑務所を出所後、福祉のサポートを受ける過程で判明。これまでの届けの署名欄の筆跡はいずれも本人ではなく、男性は現在、養子縁組は無効であることの確認を求める訴訟を、東京家庭裁判所に起こしているといいます。
 男性の弁護士は「知的障害者は勝手な縁組みに気づきにくく、犯罪に悪用されたり、知らないうちに養親の負債を相続させられるなどの危険もある。偽装縁組みを防ぐ仕組みづくりが必要だ」と語っています。

 さて、日本は養子縁組が世界でもまれにみるほどかんたんにできる国です。これまでも苗字を変え「別人」になるために悪用されたとおぼしきケースが多々あり、法務省でも全国の戸籍窓口に調査を指示したことがあります。そこでは「年齢が近い」なども不自然な養子縁組として調査の対象となりました。
 また、豊島区では暴力団条例のなかで、養子縁組の届けに来た人には暴力団関係者ではないか聞くことにしました。ここでウソを言えば、判明した場合、公文書虚偽記載ということで犯罪を立件できるわけです。

 養子縁組の悪用は許されないことである一方、養子縁組は同性婚制度がない日本で、同性カップルの法的関係樹立のためにバイパスとして利用されてきた側面があります。今後ますます戸籍窓口で、「お二人はどういうご関係で?」「なぜ養子縁組を?」と、立ち入った質問をされる場合もあるかもされません。

 養子縁組の届出の扱いについて窓口対応がなにか変わるのか、これからも注目です。

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