がん保険 加入は仕組み納得してから

【朝日新聞 2013.7.16】

 ある調査によると、18~69歳の3人に1人が入っているという「がん保険」。
 がん対応の有力な選択肢なのか、病気・入院は公的健康保険でまかなえるのだから入る必要はないものなのか。
 がん保険特集記事が出ていましたので、一部ご紹介します。



 がんにかかるとどのくらいかかるか、の予想を聞くと、半数近くの人が「300万程度」「300万より多い」と答えています。一方、実際にかかった費用は「50万程度だった」と「100万程度だった」の答えが、それぞれ3分の1ずつという感じ。これはアフラックのデータです。知らないから、ついつい「がんになるとお金がかかる」と思ってしまっているようですが、実際は……?

 がん保険、入るのはいいのですが、がん保険はそもそもがんにならなければ使えない保険です(当たり前)。そして、年齢に応じてがんになる確率はかなり変わります。
 若いうちなら確率が低く、保険料も安いので、ホントに「万が一」に当たればメリットがあります(もちろん、そのときあなたはがんになっているわけですが)……。
 逆に高齢だとがんになる確率も高くなり、それに応じて保険料もあがります。さて、そもそも保険料には保険会社の利益も含まれて設定されているわけですが、だったら保険会社に儲けさせないで、むしろ自分ひとりで貯金で備えておいたほうが賢明なのではないか? との専門家の意見も紹介されていました。

 また、いかにもがん保険のメリットのように紹介される「先進医療特約」も、じつは落とし穴になりがち。たしかに先進医療には公的医療保険が使えず、もしそれを使う場合には、自己負担額は300万円近くになることも。なので、その部分をがん保険がカバーしてくれるのはありがたい。ありがたいが、これらの治療を行なう医療機関は全国に9か所(!)しかなく、対象になるがんの種類も限られる。いろいろ内容も複雑……。そもそもがん保険に入らなければ先進医療特約はついてこない。特約のためにがん保険に入るのか、どうするか??

 こう考えてくると、がん保険、入るメリットがあるのかないのか、よくわからなくなってきます。
 もちろん、加入義務のある公的健康保険(会社の健保や国民健康保険)の高額療養費制度で、月あたりの個人負担の上限額は決まっていて、それ以上はあとで還付されるのだから、その個人負担分さえ貯金等でまかなえるなら、あえて医療保険(がん保険も)に入る必要は無い、とは当ブログがいつも主張していることではあるのですが……。

 記事では就業不能時をカバーしてくれる所得保障保険についても触れています。しかし、実際にがんで働けなくなる確率や、給付金を受け取れる期間の情報を、各社がほとんど開示しておらず、メリットの評価が難しい、と。「所得保障保険については、まだ保険料を払い続けるほうがリスクが高いかも」とのコメントもありました。
 会社の健康保険だと、病気で療養中は給与の3分の2が、1年6か月まで支払われる「傷病手当金」の制度があることは、みなさんご存知ですね?? え、知らない? 

 まずは加入義務がある(だから給料から保険料が天引きされている)公的な社会保険でなにがやってもらえるのか、きちんと押さえておくべきではないでしょうか。そのうえで、足りないものがあり、自分にお金に余裕もあるなら、保険に入るという選択肢は、はじめて検討の対象となると思うのです。

 日本人の保険信仰、ちょっと考え直したいものです……。

スポンサーサイト
Comment (-)