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活動報告】少しずつ戻ってきた講演・研修

 コロナへの警戒は維持しつつも、当会への講演会や研修のご依頼も、少しずつですが入るようになりました(知名度がないので、もともと多くはありませんが。笑)。先日、某自治体で一般向け基礎講座をさせていただきました(約25名)。
 弊会(私)の講座では、セクシュアリティの基礎や、それが暮らしや人生でどういう影響を及ぼすか、地域での共生に必要な守秘義務やアウティングの考えなどをお話ししています。講演には、自分史を語ってリアルの当事者の姿や思いを知ってもらう手法もありますが、私はわりと解説調が多いです(50代なかば男の昔話を聞くのも、時代が違いすぎるでしょうし。笑)。
 男女二元制と異性愛強制(あるいは恋愛強制)をキーワードに話すのですが、受講者からのアンケートをいただき、「性別、性自認、性的指向の組み合わせが今までこんがらがってしまうことがあったので、すっきりした」「LGBTという特定の人の問題ではなく、男女二元制と異性愛強制に縛られた社会観の転換が大切とわかった」などの記述に、話が伝わったことを実感しました。
 また、子ども・若者期から老年期まで、そして学校や、医療・職場・住宅(私はこれをイショクジュウの課題と呼んでいます)の場面など、これまでの取材や活動経験を踏まえてお話ししました。そのとき「サラリーマンと専業主婦の核家族」の典型であるサザエさんを引き合いに話すのですが、「世の中のいろいろなことが「サザエさん」的「家族」という幻影を前提にしていると思いました。同僚や友人にゲイの人がいて公表して幸福そうに見えますが、実際はまだ差別や偏見が多いのを知った」という声もありました。
「いのちを脅かすアウティング」としてお話ししたことに、精神障害者が障害をオープンにして就労する問題にも通じるというご意見もいただき、守秘義務と周囲の理解との調和を考えさせられました。
 全体的に、これまで「あたりまえ」と思わされていた価値観や、それを問わなくてすんだマジョリティとしての「特権」に気づき、「社会を変えるための力に少しでもなれたらいいなと思います」など、社会の変化に自分もその一員として力を尽くそうという表明もいただき、勇気づけられる思いがしました。

 *紹介したアンケートは、複数をまとめたり編集を施しています。
 *当会では一般向け基礎知識講演のほか、高齢福祉・介護関係者向け、HIV関係ワーカー/相談員向け(陽性者の高齢化を踏まえ)などの講演・研修を得意としています。

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