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今年、パープル・ハンズは創立満10周年を迎えます

 お元気に2023年の初春をお迎えのことと拝します。
 日ごろは特定非営利活動法人パープル・ハンズに、ご理解とお力添えをたまわり、ありがとうございます。
 
 当会は2010年からはじめた「同性愛者のためのライフプランニング研究会」の前史のもと、2013年4月14日、NPO法人設立のための総会を開催し、東京都へ認証を申請しました。(法人認証および登記は8月)。法人化を機に、その主体を「性的マイノリティおよび多様なライフスタイルを生きる人びと」と広げました。

 満10周年を迎えるいま、設立時の文書を読み返すと、「近年、テレビ等でのオネエタレントの活躍、欧米での同性婚容認などの動きともあいまって、性的マイノリティへの認知・関心は高まってきました。その一方、日本での、現実の生活者としての性的マイノリティの顕在化は今も困難であり、とくに高齢期を迎える当事者の課題は、性的マイノリティ当事者のあいだでもなお見過ごされている観があります」といった文言が見えます。
 それから10年、この状況は変わったか。変えるために私たちはなにができたか。振り返るとき、内心忸怩たる思いを禁じえません。若者支援、企業への働きかけ、“同性婚”をめぐる取り組み等の大きな進展を見るにつけ、その思いは深まります。
 しかし、一方で、私たちが活動で接する中高年の当事者は、社会の追い風やブームいかんにかかわらず、静かで安心できる暮らしと、おりにふれそれを共有しあえる仲間の存在を望んでおり、性的マイノリティ当事者にとって幸福のかたちとはなにかという問いは尽きません。社会運動界隈でよく聞く「社会的インパクト」も、たんなるイベント実施や打ち上げ花火のことであってはいけないでしょう。
 
 10年目のいまも迷い続けていますが、迷うことは、生きることかもしれません。
 年頭にあたり、これまでの10年を締めくくり、変えることと変えないことを見きわめ、華やかではなくとも地についた足が見える活動を、今年もみなさまとともに創ってゆきたいと願うものです。
 本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

 事務局長 永易至文

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