当会では、個人情報をおうかがいしたうえで、病院や住宅賃貸先に緊急連絡先として名前を書いてもよい「特別会員」(緊急連絡先預かりサービス)の仕組みがあります。それを利用されるYさん(75歳)を、更新のために先日おうかがいしました。
利用開始は2年前の夏。前年12月に自宅アパート2階のベランダから転落し、約半年、入院。今後の生活のなかで連絡先(見守り)の必要性を感じ、以前私がゲイ雑誌のコラムに書いたこのサービスのことを思い出し、連絡をくれました。
今回、近隣の喫茶店まえで待っていたYさんは元気でした。それでも昨年の大晦日、スーパーの入口で「マットの厚み」につまづき、転倒。正月から入院していたとのこと。
ただ、2年前の入院時は要介護1で介護サービスを利用していたそうですが、その後回復。いまは介護度は返上。逆に、かつて世話になった近所の介護施設へ、花育てのボランティアに通っているそう。三日にあげず通うので、顔が見えないと施設の職員が心配して電話をかけてくれるそうです。そんな繋がりがあるのか、と感心しました(参考ツイート)。
もう一人のAさんは、私の亡父とおなじ昭和12年生まれ、85歳。あるゲイバーでのご常連ネットワークのお一人でした。3年前に脳梗塞に倒れ、駆けつけた妹さんが介護保険の体制も整え、自宅マンションでの一人療養生活が始まりました。その後コロナでお見舞いにいくのもはばかられましたが、最近、お店友だちで料理上手のMさん(73歳)が、ときどき料理をもって訪問。私も先日同行させていただきました。
久しぶりに会うAさんはリハビリで口跡がずいぶん滑らかになり、一時の能面のような顔だちも生気が戻っておられました。Mさんのお料理は、ヘルパーの日常食の気分転換となり大喜びです。食事もたけなわの8時を過ぎると大阪の妹さんから定期電話。Mさんとも馴染みなので、言葉を交わしていました。電話で異変に気づけばMさんにも連絡が入る手筈です(参考ツイート)。
私たちが帰ったあとは、YさんもAさんもまた一人の生活に戻ります。でも、なにかしら人につながっている。孤立と自立は違うんだろうな。そんなことを思わされた先輩たちの姿でした。(文責:永易、事務局長)
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