老人ホーム紹介業者、なぜ無料?

【朝日新聞 2013.7.5】

 前週の新聞記事から性的マイノリティ的に興味のある記事を切り抜いて紹介する、LP研ニュース切り抜き帖。先週は、参院選で紙面が埋まっていたのか、あまりオモシロい記事が(私の)目にはつきませんでした。笑
 そういったなかで、標題のような記事がありました。

 民間の有料老人ホームに入居するさい、紹介業者を利用して選ぶ人が増えているそうです。各ホームの情報提供にとどまらず、見学の手配や契約の立ち合いまでしてくれるそうですが、相談無料。いったいどういう仕組みなのか? 探ってみましたーーという興味深いルポです。

 有料老人ホームは、おわかりでしょうか? 
 介護施設としては特別養護老人ホーム、いわゆる特養がよく知られます。介護保険の個人負担でまかなえ、比較的費用も軽くすみますが、ご承知のとおり入居者待ちが膨大で、介護できる家族がいるとかいろいろな事情も勘案され、なかなかかんたんに入ることはできません。また、入居者の介護度も平均3.5以上といわれ、身体的には常時車いす、あるいは相当認知症が進んでいる状態の人が対象といわれます。
 一方、有料老人ホームは、ヘルパーは何人以上常駐や、個人居室は何平米、こんな設備やあんな設備が必要など、厚労省の基準を満たした施設ですが、端的に言ってお金があれば入れるもの。入居時の一時金のほか、月々の住居費や食費、介護サービスを利用した場合はその個人負担分などがかかります。私の知っている有料老人ホームでも、完全認知やベッド寝たきりの人から、自宅の生活もできなくはないが、早々に自宅を整理してホームに移って来た人など、いろいろなかたが入居されています。町の中にあって、家族もよく見舞いに訪れ、なかなか快適そう……。
 従来からの社会福祉法人が経営するほか、NPOや株式会社が経営するなど、業態も多様です。

 さて、有料老人ホームに入ろうというとき、役所、つまり「地域包括支援センター」では具体的な施設をすすめたり紹介したりはしてくれません。行政の窓口ですから、特定業者をおすすめすることはないわけです。
 じゃあ、どこにホームがあって、それぞれどんな特徴があって、値段はどうなのかなどは、誰に聞けばいいのか? 要介護者を抱えて家族が途方に暮れる……というとき便利なのが、紹介業者というわけです。

 で、それが無料なのは、お察しのとおり、紹介をされたホームの側からキックバックをもらうから。1件あたり30~40万、ときには100万以上というホームもあったと記事にあります。「キャンペーン」と称してホーム側が一定期間、自ホームへ優先的に紹介してもらうかわりに、割り増し紹介料を払う慣行もあるとか。
 「本当に利用者目線で紹介してもらえるのだろうか、という疑問も沸いてくる」と記者も疑問視しています。

 もちろん業者としても、カネづくで紹介するのではなく、あくまで「ここなら納得してもらえるだろう」とお客本位で探すとは言うが、特定ホームばかり紹介され、結局、最後は自分で探したというお客の例も紹介されていました。

 さて、紹介業者にたいして、行政の動きです。
 宅建業者などを所管する国土交通省不動産業課は、「監督する必要がある業者がいるか、現状をつかみたい」。
 有料老人ホームを所管する厚労省高齢者支援課は、「利用者のニーズに応じたホームを紹介できるよう配慮してほしい」。
 いずれも静観の様子とのこと。

 最後に「紹介料は無料とはいえ、ホームからバックされているのでは利用者が負担しているのとおなじ。業者を比較して、もっとも利用者の立場で探してくれる業者を選ぶ姿勢も必要」という弁護士のコメントも載っていました。
 ホームを探すために、業者探し(比較)から始めるのか??


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