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事務局日誌(8月 緊急連絡先の話)

 講座や集いの「活動報告」がほとんどできないので、日ごろの事務局日誌とかを書きなさい、との理事会からのお達しです(笑)。ときどきはシニアの先輩がたからかかってくるご相談電話などに、お答えしている日々です。

 私(永易)は本業の行政書士の仕事のひとつで「緊急連絡先預かり」ということを行なっています。ご親族との縁が薄いなどの事情で住宅賃貸や入院時に必要な緊急連絡先がないかたに、面会してご事情などをうかがい、「知人」となったうえで緊急連絡先を引き受けるものです。2016年に当会で講演していただいた「おひとりさま」団体の草分け、「単身けん」さんからの要請ではじめました。
 
 上記のページの説明は「一般向け」ですが、もともと同様のことは、パープル・ハンズの特別会員というかたちでお引き受けもしています(賛助会員3,000円のところ、年会費12,000円。東京近圏に限る)。

 先日、某市の70代のゲイのかたが、利用を申し込んでこられました。相談には出張してほしいといわれ、指定された郊外駅そばの喫茶店で話を聞きました。今年のはじめ、2階にある居室のベランダから落下して骨折、半年入院していたとのこと。緊急連絡先の必要性や今後の終活も考え、私がゲイ雑誌に連載していたコラムで見た緊急連絡先サービスを思い出して連絡してきたとのことです。
 ご本人は専門学校を卒業後、1980年代は外国でパートナーと暮らしたとのこと。数奇なゲイの人生をいろいろうかがいました。親族とはゲイがもとで義絶、いまは天涯孤独だといいます。でも、海外での経験もあってかコミュニティ活動をこうして積極的に利用してくださる先輩の姿は、ありがたいものです。まずは「連絡先」としての、細い糸からのお付き合いが始まりました。

 一方、単身けん経由の「のんけ」の70代の女性Mさんのお引き受けもしていました。世田谷の団地に在住で、ひそかに上川あや区議の応援もされ、私がゲイだということにも連帯を示してくれました。コロナが言われ始めた2月のミゾレが降る寒い日に、2年目の更新に訪れ、そろそろ遺言や死後事務のご相談も、と言いおいて帰られました。
 それから1か月ほどして団地自治会のかたから私の携帯に、Mさんと連絡がとれない、と連絡が入りました。電話でやりとりし、自治会で警察に立ち会ってもらいこれから解錠して入室するということになり、その後、「お部屋で亡くなっていました。カレンダーなどの様子から1か月ぐらいまえのようです」との連絡が入りました。私への来所の直後に、亡くなったようです。
 われわれ一人暮らしのものは、一人で亡くなることはある程度覚悟しなければならないでしょう。できれば早く見つけてもらうことです。
 同時に、私は緊急連絡先になっているだけで、その後のご契約はないため、Mさんにかかわることはできません。団地管理者や警察から何度か電話もあり、私の知る限りの事情を話しましたが、その後、Mさんがどうなったか、教えてもらうことはできません。区役所で火葬し、遺族を探し、遺族が見つからなければ無縁仏となります。Mさんは、両親の墓は都立霊園にあるので、改葬して自分もそこへ入りたいと話していましたが、ご両親と再会できたのか……。短いご縁でしたが、いまも心がチクリと痛む経験です。

 老後のこと、みんなで考えてゆきたいですね。

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