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事務局日誌(7月 コロナごもりのおたよりメール特集)

 当会では、事務所で一品持ち寄りの小さな夕食会「おとな食堂」を開催してきました。4、5月は休止しましたが、「会食クラスター」も言われ始めた昨今、まだ公式に再開・募集をすることに躊躇があります。ただ、緊急事態宣言解除の直後の6月はじめ、おとな食堂のご常連である、70代独居ゲイのかたと、経済困難で孤立ぎみの若いアセクシュアル男性の、お二人の見守りを兼ね、数人での食事会を開催しました(褒めた話ではないですが)。
 後日、後者のかたからつぎのようなメールをいただきましたので、一部をシェアしたいと思います。

 あの日の「おとな食堂」は、私の思い出に深く残っていくものだと思っています。
 マスクの購入など思いもよらない出費に悩まされていた私は、久しぶりに2週間近くにわたって、わびしく、そして厳しい生活を送っておりました。朝昼晩おにぎりで、夜に魚を一尾付け加える。心の底から金がないことは、様々な面において貧しいのだと、あらためて思い知らされました。
 まだ、食べていけるだけで幸福なのかもしれません。しかし、こう言ってはいけないのでしょうけど、なんだか私は牢屋に入れられていない囚人なのではないかと感じるのです。
 とにかくウンザリするような状況を凌(しの)いで、意気揚々と東中野に行きました。久しぶりに皆さんの顔を見れて、ホッとして、温かいものに触れられて、あー、よかったと思いました。私は、ああいった温かいものを心の底から求めていたんですね。日々、凌ぐことばかり気を取られていて、そんな当たり前のことすら忘れていたような気がします。
 本当に、おとな食堂を開いてくださってありがとうございました。おかげで救われました。
 私は今、コロナの第二波の真っ只中で、様々なことを準備しています。頭や体を鍛え、お金をうまく運営し、今まで諦めていたことを、キチンと管理してみようと試行錯誤をしています。「これ」がなんとか上手くいけば、やがて私の羽になるでしょう。羽に変わった時、力強く、どこまでも飛んでいってやろうと想いを馳せて、今日を生きています。


 いま、コミュニティ内にさまざまな色彩や特徴をもった「居場所」「サードプレイス」が運営されるなか、当会は「地味・シニア・孤立」に焦点をあて、貧困より多少経済状況がよいとはいえ、けっして(経済的にも人間関係的にも)裕福ではない仲間の立ち寄り場所を自任して運営してきました。
 人と人との出会いと触れ合いこそが人を勇気づけ、自立させる真実のまえに、人と人との触れ合いの抑制を求める現実が立ちはだかっています。これからのつながりの持ち方を思案する日々です。

 コロナは、それまで気づかなかった日常について、新たな発見や経験をもたらすこともありました。60代のゲイのかたからはつぎのようなメールをいただきました(抜粋)。


 パープルのキャラバントーク(訪問看護ステーション見学)でみなさんにお会いした3月下旬以降、自宅で巣ごもりの日々を過ごしました。行動範囲は基本的に自宅から歩ける場所に限られ、スーパーへ食品などを買いに行くだけなので、圧迫感のようなものが日々募りました。
 ひとに会えないストレスは想像以上に大きかったです。この間、話をするのは同居人だけでした。SNSをやっているとまた違ったのでしょうね。ただ、パープルで出会った何人かの方とは、メールで近況等を知らせ合ったりしました。ゆるやかなネットワークがあることのありがたさを思いました。
 “コロナうつ気味”の気持ちを和ませてくれたのは、同居する2匹の老猫でした。猫に接していると、カリカリと固まったこころがふーっと溶けていきます。不思議ですね。

 一方で、コロナ禍でよかった(というのもヘンですが)のは、病院の予約がとりやすくなったことでした。じつは少し前に要精密検査といわれたのですが、つい先延ばしにしていました。それがコロナ禍で受診する人が減り、病院でもすぐに診察の予約がとれ、内視鏡による治療を受けることができました。
 ちなみに入院時の連絡先とその人との関係などを、看護師さんと入院担当の職員さんに聞かれました。そのとき同居しているパートナーがいることを伝えたのですが、どちらの方も(感触としては)にこやかで自然な応対をしてくださいました。そういう場面は初めてだったので、多少身構えていたのですが、肩の力が抜けて、ちょっとうれしくなりました。結果的に外来だけで治療が完了したため、入院は必要ありませんでした。

 コロナ禍を通してあらためてひととのつながりの大切さを思いました。おとな食堂で楽しい時間を過ごし、キャラバントークでいろいろ勉強させてもらい、それを当たり前のように享受していた日々が、どれだけ貴重なものだったのか、思い知らされました。


 コロナで同性パートナーの医療への不安が言われましたが、このかたのような事例もあるのですね。
 みなさまの日常はいかがだったでしょう。これからどうなりますでしょうか。どうぞ思いの浮かぶままをつづって、メールをいただけますとありがたいです。機会があれば、みなさまにもご紹介できたらと思っています。

 事務局長の連載です。こちらもぜひご覧ください。

 
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