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【報告】特別養護老人ホームの見学会

 老後に役立つ現場へおとなの社会科見学に出かけて、見て話す「キャラバントーク」。第3回は特別養護老人ホーム(特養。横浜市鶴見区)の見学でした。10月20日、私含め19名で出かけましたが、介護関係者や看護師など、シロウトでない人も何人かいました(笑)。同業とはいえ、自分の勤める施設以外を見る機会は少ないそうです。また、関西からの参加も2名もありました。
 老後や介護というと、とかく耳にする「特養」。でも、個人情報への配慮もあり、身内に入居者がいるでもなければなかなか入る機会がないだけに、見学はよい経験となったと、感想文にありました。
 今回訪問した施設では、本館は多床室(いわゆる大部屋式)ですが、新館は現在の基準に沿うよう個室(ユニット式)です。特養は要介護度3以上でなければ入所できないのが原則ですが、この施設では平均4.6とのこと。ほぼ全員が車椅子使用で、感覚反応にも乏しさが見られました。それでも当日行われていたドッグセラピーでは、入居者さんがボランティアさんが連れてきた犬に微笑んだりの反応も見せていました。
 認知症の増加は、超高齢社会・長寿社会の裏面の現実ですが、職員のかたが一人ひとりに付き添い、食事でも入浴でも生活サイクルでも、最期までご本人の意思に沿ったていねいな介護に取り組んでいる姿が印象的でした。
 館内を見学しながら、みんなは興味深げに眺めたり、さまざまな質問をしていました。自室のベッドで過ごす人の状態(起床や横臥中など)も、いまはセンサーで職員のパソコンのモニターで見られるなど、最新の機器も取り入れられていました。
 
 見学後の質問では、入居時の身元保証人など、子どもや親族縁が乏しく「家族力」の低い性的マイノリティならではの懸念事項の問いかけがありました。ほかにも同性パートナーへの対応、トランスやHIV陽性の人の入所、そして終末期の対応(延命措置や尊厳死など)について、質問が尽きませんでした。

 寄せられた感想文(一部)からご紹介します。

 ・申し込み方法ひとつとっても、システムは自治体によってさまざまとのこと。いまさらだが、まずは自分が住む自治体の情報を得なければ。近々に地元の地域包括センターなどへも出かけてみようと思う。

 ・不謹慎かもしれないが、たとえば認知症が進んで“自分が自分でなくなった”(その可能性が濃くなった)とき、それでも生きていなければならないのか。尊厳死は悪なのか。みたいなことも現実の問題として考えた。

 ・入居者のなかにも「制度をうまく活用できた方」と、僅かな違いで「制度活用できなかった方」がいたり、それぞれの方の持つ「家族関係」や「人間関係」によって、それが目に見えない格差のようなものになっているのも事実です。家族関係の有無や人的ネットワークに関わらず、だれもが「(成年後見等)制度を活用でき」、「個人として尊重され」、安心して高齢期をおくれるようになってもらいたいものだと思います。

 ・老人ホームの情報は巷間にあふれていますが玉石混交であり、今回初めて自分の目と耳で確かめることができましたので、非常にありがたい経験となりました。老人ホーム選びとともに、どのような最期を迎えるかについても改めて考えたく思っております。

 ・将来、「どこで」「誰と」「どんな」暮らしがしたいか。たとえいくつになっても「将来私はこうしたい」といえるような環境があればいいと思いました。

 ・今回のツアーでの質問はセクシャリティに関するものが多くあり、一方でこの程度まで認知機能が衰えていたらもはや男女など関係あるのかなと思いました。つまり、セクシャリティが重要なのではなく、もはや、アイデンティティの崩壊した晩年を過ごす事は、また別のテーマなのかもという事です。

 ・職員の方々が心を配り安寧に暮らせる環境を作っていることに安心しましたし、寿司の日には普段は食の進まない人もお代わりをするという話には、普段の食事がクタクタに煮炊きした、新鮮なものの少ないことを予感しました。


 多くの人は施設入所ではなく、自宅で訪問介護を受けることが多いでしょう(政策的にも自宅・地域での看取り、いわゆる地域包括ケアシステムが進められています)。今後、訪問介護ステーションなどの訪問もしてみたいと思いました。さまざまな企画をしてゆきますので、どうぞご期待ください。


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