マンション建て替え、決議要件緩和も検討

  【朝日新聞 2013.6.5】

 前週の新聞記事等から気になったニュースをピックアップする、「ニュース切り抜き帖」。
 
 アベノミクスの3本目の矢、成長戦略のためにさまざまな規制改革を、ということが取りざたされています。その一つに、老朽化マンションの建て替えを促すために、決議要件の緩和検討も盛り込まれた、というニュースがありました(国の規制改革会議報告書)。
 
 ここで民法のおさらいですーー。

 複数の人が所有権を持ち合う「共有」について民法では、

  保存行為(片付けや不法占有者の排除)……単独でできる
  管理行為(賃貸借に出す、大規模な修繕など)……持分の過半数で決する
  処分行為(売買、建て替えなど)……全員の同意

 と決めています。
 しかし、マンションについては共有者も多数であり、建て替え(処分行為)は区分所有者および議決権(持分)の各5分の4以上でできる(共有者の頭数の5分の4以上と、持分割合でも5分の4以上でOK)、と民法の規定を緩和しています(区分所有法)。
 といっても、これでも実際の建て替えはなかなか困難で、大震災あとのマンション建て替えが進まないなどが報じられたことがあります。
 今回の報告書では、さらにそれを緩和しようというもの。建て替えを促し景気浮揚に繋げましょう、というわけですね。

 現在、マンションをお持ちのかたが、将来、マンションが老朽化し建て替え問題が起こったとき、自分も高齢化していて建て替えなどしてまたローンを背負いたくない、と思っていても、管理組合での決議がより成立しやすくなる、ということが予想されます。
 子どもがいて、あとは子に相続させればいいと思えば、建て替えにも同意しやすいでしょうが、性的マイノリティの場合、独り身でいることが多い。だれに渡したい(相続させたい)という気持ちもない。
 老年期になって、「建て替えるくらいなら、私は出ていきます」というのも、切ない話……。

 こんなところにも、性的マイノリティと不動産、そしてライフプランニングをめぐる話題が隠れているな、と思った小さな記事でした。
 
 
 
 
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